19/07/14
最近読んだ本
- アメリカ黒人から見た日本、中国1895-1945 --ブラックインターナショナリズム,マーク・ガリキオ作,伊藤裕子訳 ,岩波書店,2013
アメリカ黒人から見た日本、中国 1895-1945――ブラック・インターナショナリズムの盛衰
- 作者: マーク・ガリキオ,伊藤裕子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/05/24
- メディア: 単行本
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なんとなく黒人の歴史に関する本を本屋で探していたら見つけた。おそらく絶版、田舎の本屋で見つけられたのは相当運がいい。岩波が好きかどうかは別として、ココが出してるので日本スゴイ系のアレではない事が分かると思う。題名の通りww2までの50年間のアメリカ黒人から見た日本・中国に関する研究。端的に言えば、米国黒人の一部が日本の帝国主義的拡張を白人国家による世界支配をぶっ潰す有色人種の希望の星として積極的に肯定・支持していたという内容。一連の主張の背景には、米国における黒人差別=欧米の帝国主義という大雑把な世界観があり、国外の非白人勢力との連帯によって現在の白人支配下にある国際秩序を変革して行こうという考えの「ブラック・インターナショナリズム」があるんだとか、、、もっともご存知の通り日本の対外拡張政策も白人国家の帝国主義・植民地主義と大差ないんだけど、米国黒人は結構最後までコレを無理やり理由をつけて支持・合理化してしまう。*1いよいよ日米開戦に至ってもこんな感じの主張をしてるので黒人運動家達は日本のスパイとして公安当局に目を付けられたりした模様。ちなみに中国に対しては日本人と自己同一化した結果、だいぶ差別的な評価をしたり、、、こんな感じで割と黒人にとっては黒歴史的な側面もあると思うんだけど、戦後の公民権運動に少なからぬ影響を与えてるんで全く無意味では無かったというのが総括。
- オールドファッション 普通の会話 -東京ステーションホテルにて, 江藤淳 蓮實重彦 ,中央公論社,1985
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みんな大好きハスミンと東工大のやばい奴・江藤の”普通の会話”。友人のオススメだったので読んだ。表題の通り東京ステーションホテルでの対談なので、会話の切り出しが双方とも鉄道の話。自分含めこの手のオタク的な人間、鉄道に関する微妙な知識をベースに初対面の人間と世間話をする傾向があると思う。もちろん特別好きなわけじゃないのでサラッと。対人距離がつかめないのと、社会との接点的な感じで隠キャ都市住民が一番取っ付きやすい話題なのかも。会話の内容は、ハスミンがお得意の嫌味で江藤がアメリカで見つけた”真実”について言及したり、”大江君”の悪口で盛り上がったり。”普通の会話”なのでこの二人の本にしては大分読みやすいし面白いのでは?関係ないけど東工大の文系教官、ヤバイ奴多いよね。吉本隆明、橋爪大三郎、小室直樹、猪瀬直樹、池上彰、、、、、江藤自身も言ってるけど、やはり東工大、理工系の単科大だから学生が文系教官の授業をすんなり信じちゃう、こうなると教える側も”教師への軽蔑”を感じずに謎の全能感から暴走しがちみたいな。一方の当方文系単科大、理系の教官に関しては触らぬ神に祟りなし?
*1:恋は盲目的な感じで?